おやっと思ったら要注意知っておくべき認知症の症状まとめガイド

見当識障害

認知症を患っている方が、生活環境が変わった時に起こしやすい見当識障害。どのような症状が特徴なのか、対処法などについて解説しています。

認知症を原因とする見当識障害とは

現在自分が置かれている場所や時間が分からなくなってしまう障害です。昼夜の区別がつかなくなったりして、自分の家が分からなくなってしまい、本人はもちろん家族や周囲の方も混乱してしまいます。

「夜中に買い物に出ようとする」、「自身の年齢や年代が認識できなくなる」、「季節に合った洋服を選べなくなる」、といった症状が出ることもあります。

認知症のタイプ別にみる見当識障害

見当識障害は、認知症のタイプ別に少し異なる症状が現れるという特徴があります。

アルツハイマー型認知症に多い見当識障害

アルツハイマー型の場合、記憶障害と見当識障害を併発する場合が多いと言われています。何をしようとしているのかという目的を忘れてしまっているのに加えて、どこにいて、今はいつなのか、といった状況すらも分からなくなってしまうので、本人の混乱は相当なものとなります。

レビー小体型認知症に多い見当識障害

レビー小体型の認知症の方は、記憶障害よりも見当識障害の方が強く出る傾向にあります。記憶はハッキリしているのに見当識が弱いということも多く、自分がどこにいるのか分からなくなることがある…と、自身の障害を自覚している場合もあります。

家族や介護者はどのような対応をするべき?

見当識障害に対する対応は、具体的にどのような症状が現れているかによって若干異なります。

場所の見当識障害の場合

引っ越しや施設への入所、病院への入院などで環境が変わってしまうと、不安が強くなり見当識の障害が強く出てしまう場合があります。転居先や施設などへは、できるだけ使い慣れている家具や道具を持っていき、本人に安心感を与えることが重要です。「自分の家ではない」と強く主張することもありますが、安心できる場所であることを伝え、「今はここで過ごしましょう」と説得しましょう。

時間の見当識障害の場合

日にちや曜日、時間などが分からなくなってしまう方には、カレンダーを毎日一緒に確認します。例えば、毎朝決まった時間にカレンダーへ丸をつけながら、「今日は何月何日何曜日ですね」と確認すると分かりやすいようです。

窓を開けたり外へ出る機会を多くして、昼夜の区別がつきやすくしたり、会話の中に日にちや季節の話題を入れることも有効です。

人の見当識障害の場合

時間や場所の見当識障害に加えて、人に対する障害が起こる場合があります。家族と他人の区別がつかなくなったり、鏡を見て自分だと認識できなくなることもあります。

特にレビー小体型認知症の場合は、見当識障害が比較的早く表れ、初期の段階で家族の識別ができなくなってしまうことも。

本人の主張を無理に否定したりすると、不安からパニックを起こしてしまうことになりますので、否定せずにお話を聞いてあげることが第一です。

見当識障害の予防法と改善策

「いつ」「どこ」といったことが分からなくなる見当識障害は、認知症の初期段階で現れる症状です。

見当識障害を予防するためには、普段からGI値の低い食べもので、タンパク質や脂肪などをバランス良く含んだ食事を心がけるようにします。

認知症の原因や症状は人それぞれ異なりますが、毎日の生活習慣が大いに関係しているといわれており、十分な睡眠や生活習慣病の予防、運動習慣、適度な脳トレなどを行うことで、予防や改善に役立つとされています。

人との交流が少ない場合には、外に出かけるなどしてコミュニケーションを取るようにしましょう。

一人きりで家にこもっていると認知症のリスクが上がってしまうので、家族だけでなく第三者とも積極的に関わっていくようにしましょう。

カレンダーや時計を効果的に使用する

見当識障害にかかったら、「いつ」「どこで」「何をする」といったスケジュールが把握しにくくなります。そこで、カレンダーや時計などを使って、家族と一緒にスケジュール確認をこまめに行うようにします。

カレンダーの日付に丸を付けたり、「今日は何月何日」と声に出してみることも、見当識障害の対策方法の一つになります。

少しでも情報を頭に残すために、一日のスケジュールをカレンダーに書いたり、手元に日付と曜日を書いてもらって、一日のスケジュールリストを作るのも有効です。

時計については、時刻を正確に把握するために欠かせないアイテムです。腕時計などをして持ち歩き、周りの人に「お昼です」「夜7時です」と声をかけてもらうと安心です。

部屋や玄関など目に付く場所に時計を置き、こまめに時刻をチェックするようにしましょう。

認知症薬物療法について

日本人の罹患率が高い「アルツハイマー型認知症」には、進行を遅らせる「ドネペジル塩酸塩」などの薬が用いられます。

ドネペジル塩酸塩は進行が進む前から飲みはじめることで治療効果が出るため、認知症が始まってからできるだけ早期に服用を開始することが大切。

また、アルツハイマー型認知症の薬には、アセチルコリンを有効に働かせるものもあります。医師に相談のうえ、薬物療法を検討するのも一つの予防策となります。

リアリティオリエンテーションについて

リアリティオリエンテーションとは、「現在何月何日か」「季節はいつか」など時期や時間に関する質問を行い、現実認識を深めることを目的とします。

患者さんの個人情報に関する質問や今いる場所の質問、日常生活のさまざまな動作を行って協調性を獲得し、残存している機能に働きかけて症状の進行を予防します。

リアリティオリエンテーションには大きく分けて2種類あります。

少人数の患者さんが集まってスタッフのもとで個人情報や基本情報を訓練する「クラスルームリアリティオリエンテーション」と、スタッフとの日常生活におけるコミュニケーションを行いながら、「自分は誰か」「どこにいるのか」「今は何時か」など、現実を認識しながら訓練を積む「24時間リアリティオリエンテーション」があります。

排泄時に声をかける

患者さんがトイレを間違える際には、扉に「トイレ」と表示をつけるなどして環境を整えますが、排泄時にも声かけをするようにすると安心です。

認知症の患者さんだけではトイレの位置を間違えてしまったり、排泄に関して正しい順序が踏めない場合もあります。

まずはトイレに連れていき、便座に座る動作を確認します。トイレできちんと排泄ができるよう、声をかけて確認し、排泄が終わったら「ちゃんとできましたか」などと声をかけて、そのつど確認をとるようにします。

認知症の予防方法まとめ
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