おやっと思ったら要注意知っておくべき認知症の症状まとめガイド

実行機能障害

目的を達成するための行動が実行できなくなる、実行機能障害について、症状の特徴や周囲の人の対応方法についてご紹介しましょう。

認知症を原因とする実行機能障害とは

実行機能障害という言葉は聞きなれないのですが、簡単に言えば「目的を達成するための行動ができない」ということ。例えば、料理を作るという目的のために、材料を揃えてお湯を沸かし、野菜を切る…といったことを順序立てて行動できなくなります。

料理を作るためには、下ごしらえや準備の順番、段取りを考える必要がありますが、実行機能障害が起こると、この段取りができなくなってしまうので、最後までお料理を作り上げることができなくなるわけです。

こんな症状が出たら実行機能障害かも?

それまで普通にできていたことが急にできなくなる、ということで実行機能障害に気が付くケースが大半です。最も分かりやすい例はお料理で、『材料を適切に用意できなくなる』、『手順が分からなくなる』、『味付けが変わる』といった症状が出ます。

さらにもっと単純なところでは、テレビやエアコンのリモコンが使えなくなったり、電化製品の使い方が分からなくなる、という症状もあります。

家族や介護者はどのような対応をするべき?

実行機能障害が現れていても、すべての作業ができなくなるわけではないので、進行を遅らせるためにも、今まで通りの家事や作業を続けることが大切です。すべての作業を家族や介護者が見守るのは難しいかもしれませんが、折に触れて声掛けをしたり、次にやるべき作業を指示することで、お料理や洗濯などの家事を最後までやりとげることができるはずです。

作業が止まっているなと思ったら、「そろそろかき混ぜてみたら?」など、次の行動を指示したり促したりすると、その先の作業はすんなり進むこともあります。

作業をしやすくするために、使うものを同じ場所にまとめて置いたり、分かりやすい目印をつけたり、工夫してみるとよいでしょう。

症状例の紹介

実行機能障害とは、その時々の状況を判断して、適切な行動を取ることが難しくなる症状です。

初期段階や軽度の認知症に多くみられる症状で、アルツハイマー型認知症の患者さんに多いとされています。

手順に従って作業を行う「実行機能」に障害が起きると、計画的に物事を進めることができなくなります。

たとえば、何か一つのことをしながらもう一つのことを並行したり、いくつも手順を踏まなければならない作業などが難しくなります。

料理でいえば、献立を決めるところから材料の買い出し、下準備、調理、後片付けといった手順が必要ですが、買い物の段階から間違った食材を買ってしまう、得意料理が作れなくなるなどの問題が起こります。

また、予想外の出来事に対して、他の手段を考えて適切な方法で対処できなくなります。

実行機能障害の対処法

実行機能障害が出たとしても、身の回りのすべてのことができなくなるというわけではありません。周囲のサポートがあれば今まで通り、手順を踏んで物事を進めることができます。

実行機能障害の対処法としては、周囲による協力が必要不可欠となります。

洗濯をする際には、「ここに洗剤を入れて」「洗濯物を入れて」「スイッチを押す」など、作業順序にしたがって声かけをするようにすると、うまく行動を組み立てることができます。

本人にその意識がなくても、実行機能に問題が出ていれば周囲の協力なしでは思わぬトラブルを起こしてしまう可能性も。

逐一サポートを行うのは大変ですが、調理など火を使う作業や、危険な作業は患者さん一人で行わせるのは危険なので、声かけや気づきのきっかけづくりをすることが一つの対処法となります。

声掛けしてきっかけをつくる

実行機能障害の患者さんにとっては、今まで当たり前にできてきたことができなくなるという意識が薄い場合が多く、本人にとっては「いつも通りにやっている」場合があります。

しかしここで安心して本人に任せず、声掛けを適切なタイミングで行い、手伝うことがトラブルを予防することにもつながります。

何かを作業しようとする時には積極的に声をかけるようにしたいところですが、声掛けを拒否される場合は無理をせず、タイミングを見て声をかけるようにしましょう。

また、あれこれと指示を出すと頭の中の情報にまとまりがなくなるため、集中しづらくなってしまうので、何か一つのことをする際はゆっくりと行い、時間にはゆとりを持つようにします。

作業も簡単なものから行うようにして、いきなり複雑な作業に取り掛かることのないよう注意が必要です。

ひとつずつ指示出しする

実行機能に障害が出ていると、作業の途中で手順が思い出せなくなったり、作業に時間がかかったりする場合があります。

調理などはその代表例で、調味料の分量がわからない、茹で時間を間違えるなど、ミスが重なる場合は要注意。

一人で管理できないと判断された場合は、周りの人が一つずつ指示出しをする必要があります。

例えば、今まで当たり前のように飲んでいた薬を飲み忘れる、同じ薬を続けて飲んでしまうなどの問題が起きないように、「次はこの薬だよ」と指示を出すようにしましょう。

指示の方法も、「着替えてね」ではなく、「コートを脱いで、シャツを脱いで」と具体的な名前を挙げるようにすると理解が早まります。

患者さんに何もさせずに周りが手取り足取り準備をしてしまうケースも少なくありませんが、指示を出しながら患者さんができることをやり遂げられるようにサポートすることが大切です。

使うものや場所を限定する

実行機能障害の患者さんは計画立てて物事を進めることが難しいため、普段使っているものの場所すらも忘れてしまう場合があります。

置き場所がわからなくなるとものを失くすおそれもあるため、日用品や愛用品は場所を決めて、そこから動かさないようにしましょう。

細かく置き場所を決めて、「これはここに置く」と指示を出すようにするとわかりやすいですし、それでも理解が難しい場合は置き場所にシールなどを貼って目立たせると、間違いが少なくなります。

また、いつも同じものを使うようにする、たくさんのものを部屋に置かないといった工夫も、患者さんの混乱を避けるうえで重要な工夫となります。

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